【化女沼レジャーランド】今日の日はさよなら。【記録】
※いつもなら、出来る限りその物件の情報を入れながら書いているつもりですが今回は、どうしても私の気持ちと感想が強いです。この場所は私の廃墟の忘れ物なんです。どうかご了承ください。
(あと、明けました。おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。)
今年初めての遠出でした。
大阪から東京へ夜行バスに乗り、東京から古川まで新幹線に乗って向かいました。
最後の見学会になる可能性が高く、どうしても会わなければいけないと思いました。
会って、お礼を言わなければならない。いいや、どうしても言いたい。
勿論、開園当時に行った記憶も廃墟と化して何度か行った事がある訳じゃない。
いわば初対面のこの地に「ありがとう」を言いに行く為に私は大阪から宮城へと行ったです。
このお別れ会にはたくさんの人が来ていました。(※写真撮ったのですが、あまりにも顔がはっきりだったのでやめました。)
残念ながら、社長は用事でお会いすることが出来ず。
会っていたら、何を話していたのだろう・・・?
私が化女沼レジャーランドを知った経緯か?それとも、お礼が先か?
違うなぁ、多分何も話せないだろう。言葉になんかできないだろう。
遮るものが無いこの場所では風が少し吹いただけでも強く感じ冷たい風を何度も体に受ける。
それと同時に、壊れたシャッターが音を立てて揺れました。その音に、
廃墟に、来たんだな。
そう思いました。
中に入るとそれはより一層、感じました。
歩けば、割れたガラスの音がして何かにぶつかる音がする。
倒れた棚や散らかったモノは、自然か人為的か。
土産の手番である、お饅頭。
値段も手ごろで、個数沢山入ってて会社に持って行くとだいたい外れ無しの品物。
横にあった小さなボックスの上には中身を取り出し食べかけの様なサンプルが置いてあり、サンプルじゃないのか?と疑ってしまいました。
チラシは当時の一番の証言証拠です。宿泊も、日帰りもお手頃な値段だと私は思います。
そうか、送迎バスがあったのか。
残念ながら今回は、ホテルは入れなかった。
・・・さて、あの私の恩人である遊具たちは何処にいるのだろう?
足を進めて歩くと、自分と同じ背丈の草や好き放題伸びる木々。
藪漕ぎもいいけど、出来ればまだ序盤だし道がある方がいいなと周り道。
お姫館と書かれた入り口。
恐らく、園内一周できるように作られてるかな。まぁ、だいたいそうだよね。
とこちらか入ることにしました。この時点で分かるように、枝が凄く伸びています。
真ん中にある棒みたいなモノから回転させて入っていたでしょうか。
遠目に見える遊具達の位置を確認しながら、コンクリートの道を歩いていきます。
ここがお姫館。
すぐ近くにある化女沼には伝説の話がある。
代表的な話、長者の娘である照夜姫の話をこの館で絵で再現しています。
悲しい恋のお話です。それについては、また別の話。
この裏には神社があります。(夕方もう一度訪れて発見しています。)
廃神社。
今にも壊れそうな鳥居。階段の横に話阿吽の狛犬。
階段を上がり、ガラン、ガランと鳴らすと図ったかの様にふわっと風が吹き草木が音をたてました。
どこか遠くでは、ゴーン、ゴーンと音が聞こえて・・・
現在に居るのに現在じゃない不思議な気持ちになりました。
お姫館の道は遠回りながらも少しずつ遊具との距離を縮めていく。
もう少し、もう少し・・・
やっと、やっと会えた・・・!!
風が吹いても回ることが無くても、カゴはぐらぐらと音無く揺れて・・・
あれほど、いいたかった言葉はどこかに消えてシャッターだけ押し続けていました。
カゴの窓は割れて、乗り場の階段は踏む度に跳ねてそんな状況でもこの寒い中、ずっと立ち尽くす。
今、この場にチェーンタワーが当時のまま残っていたら誰も押さずとも回っていたのかもしません。
私は残念ながらに乗った記憶がない。あったのかもしれないけど、それはとうの昔に忘れてしまった様です。
コーヒーカップのサビが染みついたコーヒーに見えました。
あーこのシミは、なかなか取れない。触れば触るほど、シミは広がっていきそうです。
ハンドルを回してみるもまわらない。
どれかは回るようですが、私には回せなかった。コーヒーカップのハンドルを回し過ぎて何人の人が目を回した事か・・・。
大きくなって座ったメリーゴーランドは軽々とまたいで座る事が出来ました。
横座り出来なくて、またいでしっかり座ると壊れてしまいそで恐る恐る軽く体重を乗せたくらい。
希望に満ちた目で馬は前を見ていました。
今日は沢山の来客で少し嬉しそうな顔をしながら、はりきっているのだろう。
唯一、人力で動いた遊具。
最後に乗ったのは、赤ちゃん連れの母子。
「よかったねぇ、最後のお客さんだって。最後に乗れてよかったねぇ。」
そういっておられて、私も最後にこの遊具を回せて本当に良かった。
あの子が大きくなった時、今日見た景色を覚えているのでしょうか・・・どうかそれはいいものでありますように。
ミニSLは少し傾いて見えます。
この場所一帯は、草木で覆われて唯一乗り場が分かるくらいでした。
慣れた手つきの人の後ろに付き共にレール後を探します。
踏んだ足の感覚と所々に見えるレール。これらから恐らく8の字ループ。
よく遊園地で見られるタイプのものだろうとの事でした。
これは、今は無き阪神百貨店屋上の屋上遊園地にあったミニ電車です。
分かりやすく引っ張り出してきました。
そして、恐らくアスファルト部分がゴーカート後ではないだろうかと考えています。
一周出来ると考えていたんですが途中から土に変わり良く分かりませんでした。
あーそうそう。こういう網の部分い足ハマって抜けなくなって・・・大泣きするんだ。
でも一度、コツを掴めば懲りずに遊んで・・・最後は地に降りる出口が分らなくなってまた大泣きするんだ。
・・・私の事です。
ここは、子どもだけが楽しめる場所じゃない。
ちゃんと、ゴルフ場やゲートボール場という大人も楽しめる場所があります。
今、ここにボールを放ったら探す事は大変でしょう。
二階建てになっていてここが二階。下に降りる階段は、木ではなくしっかりしていたけど、それが余計に何時崩れるのか心配で恐る恐る降りる。
階段を下りた先の時刻は午前か午後か分らない「10時37分頃」
私の腕時計はさっきまで、「4時20分頃」
iPhoneで見ると、まだ昼前。
帰ったら修理に出そう。
一番、時間が変な腕時計を見てそう思いました。
何度も言いますが、本当に寒かった。
指がしびれるなんて、大阪住まいの私には初めての体験でした。
剣道で裸足だった時でも、こうはならなかった。
そんな事お構いなしに、私の目に飛び込んできたレストランに書かれた看板。
流しそうめん・ジンギスカン。
化女沼レジャーランドには、実は閉園した後分かった事ですが温泉が出ます。
今日、温泉出してもらえてたら足浴手浴をしに速攻言っていたことでしょう。
そして残念ながらこのレストラン。下に降りるのが困難。
かじかんだ手で何かあっては危ないと判断し降りる事を止めました。
しかし、温泉が湧いている場所からなら少し入れそうだとそちらか回ります。
池と風車があると教えてもらいました。魚の供養の碑と。
まるで藪が衛かのように、碑は奥にありました。
ここからだと、レストランが少し見やすく、観覧車が見えました。
風風車はもっと藪の中。
だめだ、これ以上進めない。
ここに来るまでも、藪や枝が上着に引っかかり足元も不安定。
だめなんだよ、ここでけが人になるのは。事故を起こすのは。
閉園するまで、ここは楽しい場所じゃないと。
夕方が近づいてくると、人も少なくなりすれ違う人も減ってきていた。
地元の人、近い県から来た人、遠くの県から来た人。
各々、別れを済ませてもう入る事が出来ないであろうこの場所を後にした。
本来なら、私も少し早く帰る事になる筈でしたが同乗させてくれる方が夕方までいるとの事で私も残る事が出来ました。
日が沈むのは早い冬なら見れる筈。
観覧車のもう一つの顔を。
この景色を知っています。
この目で見て、写真を撮るのは初めてですが私はこの景色を知っています。
大阪という地に数十年引きこもりまともに他県に出た事が無い頃。
車の免許の為に1人他県に合宿へ行ったんです。
当然の様にホームシックに掛かり、もう帰ろうかなと思っていた時でした。
偶然、化女沼レジャーランドの動画と記事をみました。
夕日を浴びて、何があろうともそこに立っている観覧車。
その姿に、会いたいって思ったんです。宮城県でしかも最寄り駅からも遠い。
会いたかったら車の免許取れよ。って言われてる気がして。
なんて自分なりに良い解釈しただけでしたが、合宿期間中何度もこの観覧車を見て乗り切る事が出来ました。
そうか、ありがとうって言いたかったのもあるけど一番言いたかったのはそれじゃない。
「どうだ、会いに来たぞ。他人の車に乗せてもらったけどな!」
記事を書いていた時にやっとわかった。
結局、私がこの地に言った言葉は「まさか、本当に見れる日がくるなんて。」
それだけだった。このアホ面をみて遊具たちは少しでも笑ってくれたでしょうか。
もし、こんな偉そうに愛に来てやったぞなんて言ったら、初対面んで何言ってんだコイツ・・・って思われてたかもしれませんね。第一印象凄く悪くなります。
ここの遊具たちは、社長自ら海外に買い付けにいったそうです。
それにここは、閉園しても美化整備されホテルにもセキュリティーを入れて最後の最後までみんなに可愛いがられて人に遊ばれて人を喜ばせて思い出をつくり本当の閉園を迎えます。
この土地は三月上旬には譲渡される予定になっています。
この状態である事は極めて低く、入ることも出来なくなる可能性が大きい。
でも、もしこの場所が更地になり、藪や自由に伸びた枝の姿、遊具の姿がどこにも見当たらなくたってそこにあった記憶が消えてしまう事は無い。
今度来るときは自分で運転してここに会いに来たら、その時はちゃんと言いたかった事を言おう。
だから、今日の日はさよなら。
また会う日まで。
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